夢のような一日・・・
あれは確か２年前の夏だったっけ、
ウキ部のアイドル（？）・kiki師匠が新しいポイントに入って、ナントそこでクロダイを大爆釣をしてしまったのは・・・。
でもその頃はオイラまだ師匠に拝謁を賜っておらず、「世の中にはスゲェ人がいるなぁ」と、ただただ感心するばっかりで、一体kiki師匠ってどんな人なんだろう？って、一種の憧れみたいのを持っておりやした。
そう、心の中ではまだ見ぬ師匠の弟子になりきっていたのであります。
そんなこんなでその約１週間後の夕マズメ時、
心の師がクロダイあげたその場所を見てみたくなり、竿も持たずにフラ〜っとポイント探検に出かけました。
・・・すると、
そこには肩からタオルをぶら下げた怪しげなオヤジが一人、既に竿を振っているではありませんか！
横には大きなタモ網、そしてしっかりとコマセを撒いている・・・。
明らかにクロダイ師です。
（やっぱインターネットは情報早ぇな〜）と思いながらも、そのオヤジに近寄って行って、
「何狙ってるんスか？」・・・オイラが白々しく聞く。
「ん〜〜？釣れりゃ何でもね」・・・オヤジも白々しく答える。
（チッ！とぼけたオヤジだぜ！）・・・オイラ心の中で呟きながらも、
「ここってクロダイの隠れた穴場らしいッスね」・・・とオヤジにカマをかけてみる。
するとオヤジ、
「へ〜、そうなんですか。」
か〜〜〜っ！どこまでとぼけるかなぁ、このオヤジは！
「（まぁせいぜい）がんばって下さいね」と精一杯の皮肉を言ってその場を後にしました。
その「怪しいとぼけたオヤジ」が、実はkiki師匠その人であったという事実を知るのにそう時間はかかりませんでした。
（師匠〜、数々の無礼な言動お許しくだされ〜！）
いや〜、顔から火が出るってあーいう事なんでしょうね。
きっとオイラ、心の師匠に向かって態度でかかったんだろうな〜。
大いに反省しながらも、
「よ〜し、いつか俺もここでデッカイの釣り上げちゃる！」と一人闘志を燃やした管理人でありました。
そして話は２００１年７月１８日の水曜日に移ります。
めでたくも我が福浦チヌ同好会がスポーツニッポン紙上で紹介されたその日、オイラは午前中会社を休んで某病院で精密検査を受けておりました。
ここ数ヶ月どうも腹の具合が良くなく、念の為の検査だったんですが・・・
小心者のオイラは前日からすっかりブルーになっておりました。
しかし流石大病院ッスね！（←ちょっとイヤミ）
検査にも診察にもエライ時間がかかってしまい、結局「シロ」の診断を貰って病院を出た頃にはお昼をとうに過ぎていました。
予定は大幅に狂ってしまったけど、帰りは行きと違って気分爽快！
まるで頭の上に広がっている青空のようです。
仕事するにも中途半端な時間になってしまったので、会社に電話して１日休みに変更してもらいました。
ブルーな気分も吹き飛んで、時間もできてしまった・・・。空も抜けるように青い！
こりゃ釣りに行くしかないじゃないですか！
そうと決まれば速攻家帰ってメシです。
メシ食ったら速攻支度ッス！
「今日は気分がいいから浮気でもすっかな！」
そんな衝動に駆られ、竿ケースの中に短竿を１本忍ばせる。
「でも風が強いからいつもの堤防厳しいかな？」
そう思い直して磯竿も１本入れる。
そう、とりあえず落とし込みとウキフカセの両方の支度をして、午後３時半、女房殿が出かけた隙を見計らってそ〜っと家を出ました。
なんせ昨日までブルーだった人間がいきなり会社休んで釣りッスからね。
流石にオイラも後ろめたい気持ちになりますよ。
行きがけに立野さんでエサ購入。
「え〜っと、オキアミに集魚材に付けエサに、あっ、あとタンク５匹ね！」
相変わらず節操のない買い方です。
エサを仕入れてから、まずは落とし込みポイントへ直行。
やっぱり風が相当強く、足元まで波が被っている様子・・・。
（こりゃヘタッピなオイラは仕掛けとても落とせそうもないなぁ、）
・・・気持ちよく浮気をあきらめました。
（ホントはステンドグラスの背景画像で釣行記書いて、福チヌ初の番外ポイント狙ってたんスけどね・・・。）
この風向きで竿が出せる一番いいポイント・・・、
ここのところいつも潮スケスケですからねぇ。
悩んだ挙句ふと思いついたのが、２年前のｋｉｋｉ師匠爆釣ポイントでした。
覗いてみると、う〜ん、いい具合に濁ってる！
「ここは一番ここでお手軽に竿出しますか！」
支度をして釣り始めたのが午後４時半、
狙うポイントは１箇所だけ！集中的にそこを攻めます。
狙いがピンポイントだから比較的楽な釣りです。
仕掛けを流してうまくそこへ誘導してやり、ポイントを過ぎたら仕掛けを回収、そんな事を繰り返してました。
すると午後５時２０分、狙ってるポイントでウキがズポっと消しこむ！
青物君が登場かな〜などと思いながらも大きくアワセを入れるとガツ〜ン！
なんだ〜ボラ君か〜・・・と思ってヤリトリしてると、こいつが生意気にもグングングンと下に３段引きで突っ込む！
ありゃ？本命か〜？
しかもかなりデケェぜ！
頭上の竿が綺麗に弧を描いてるのが見えたのか、散歩してたオッサンが駆け寄ってきたその時！
プツ〜ン！
痛恨のハリス切れでした・・・。
ホントに〜！１回はバラさなきゃ気がすまないんかい！
一瞬茫然自失になりながらも、気を取り直して同じ攻め方を繰り返します。
潮は下げに入っていて、ウキ下は３ヒロちょっと。
潮の流れが頻繁に変わるんで、うまく潮に乗せてピンポイントに流すのは結構難しいッス。
試行錯誤を繰り返しながらも根気良く攻め続けると、事件は午後６時ちょうどに起こりました。
さっきバラしたのと全く同じポイントで、同じ様にウキが消しこみます。
すかさず合わせるとまたまたガツ〜ン！
しかし重いだけで動かない！
ウキが消しこんで入ったんだから根掛かりじゃないだろうし、ひょっとしたら隠れ根にでも潜り込まれちゃったかなぁ・・・。
そんな事を思っていると、突然ピンと張った道糸が糸鳴りをして左に流されていく！
うわ〜〜〜！スゲ−重い！
しかも突っ込む突っ込む！
本命確信！しかも超大型と見ましたよ〜ん！
ここは慎重に浮かせないと・・・・。
格闘数分、ようやく浮いた魚体はとにかくデカイ！
十分すぎる程空気を吸わせて、左手で竿を支え、右手でタモを伸ばすが、何度も最後の抵抗を試みる敵に左手が突っ張りそうになりうまくいかない。
隣で竿を出していたオバチャンが格闘してるオイラの様子を見に来ましたが、
「手伝ってやりたいけど魚逃がしちゃいそうで恐いからねぇ・・・」
そう言ってただ眺めているだけ・・・。
「上等だよ！この大型は絶対オイラ一人で取り込んじゃる！」
・・・高価な玉の柄を傷だらけにしながらも、ようやく網に入った本命を取り込んで即計測してみると、ナント！５１ｃｍ自己記録！
見物していたオバチャンが
「ここにこんなデカイのいるんだねぇ・・・」と感嘆しています。
中国人とおぼしきギャラリーも集まってきます。
「オイ、見てみろよ、大きいのもいるんだな」・・・中国人Ａ
「本当だ！今度俺もやってみようかな」・・・中国人Ｂ
そんな会話だったと思います。（一応オイラ大学で中国語専攻してました・・・。）
一瞬国際派スターになった気分でした。
心臓がバクバクいって、何故か胃が痛み出しましたが、我に返ってまずは”スピーカー”○みさんに電話して報告。
この名ライターに報告すれば掲示板がまたパニックに陥る・・・。
こんな状況でも、管理人としてＨＰ盛り上げる事もちゃ〜んと考えてるんスよ〜。
さて、いつもならここで釣行記は終わってしまうんですが、この日はまだ先があります。
どうぞ辛抱して読んでください。
自己記録を釣り上げた後も、辺りはまだ明るいし、コマセもたっぷり残ってます。
予想通り○みさんの掲示板カキコに反応したk○zさんから電話、「もっと釣れ！」の指示。
同じく○ーさんから電話があり、電話の向こうでこの方特有のジョークで精一杯のイヤミを言っている・・・。
よ〜し、もういっちょ釣っちゃる〜！
そして２度目の事件は午後７時過ぎに起こりました。
全く同じポイントで同じ様にウキが入ります。
そらきた〜〜〜〜〜！
思いっきり竿を立てるといきなり満月状態に！
こいつも糸鳴りを起こしてラインがすべって行きます。
慌ててレバーを握り、ヤリトリ開始。
デカイ！デカイ！デカイ！デカイ！デカイ！
今度はさっきのオバチャンのご主人と思しき男性が、たまりかねてすっ飛んで来てタモを出してくれました。
何度かタモ枠で小突かれましたが、何とか取り込み成功！（上唇１枚だったのに・・・冷や汗）
そして計測してビックリ！
ナント２枚連続の年無し＆自己記録更新の５２cm・・・。
流石にオイラも言葉を失いました。
今度ばかりはギャラリーも興奮してます。
そして盛り上げ係と江戸のお方へTEL、
「この電話はまたあげちまったって事ですかぁ？」
「ヘイ、それもまたまた年無しを！」
「・・・・・・」
お二方ともこのような会話内容だったと記憶しております。
まだ付けエサもコマセもタップリとありましたが、何だか自分が恐くなって、ここで竿を納める事にしました。
まぁ、あまり欲張ってもいけないしネ！
最後になりましたが、この日の釣果は２年前にオイラのハートに火をつけてくれた我が心の師・kiki師匠のお陰であった事を付け加えておきます。
２匹の怪獣と格闘したオイラの胸のカラータイマーは既に点滅してます。
暗くなった空を見上げたヒーローは、そのまま宇宙の彼方へ飛んでいきました。
２００１年７月１８日、
この日をオイラは生涯忘れないでしょう。
精密検査のドキドキに始まって、福浦チヌ同好会スポニチ掲載、そしてそれらを祝福するかのような海神様からの贈り物・・・。
ついでに阪神もまさかの連勝している・・・（関係ないか！）
本当に夢のような１日でした。
いつもドラマが待っている福浦の海・・・。
次のドラマは一体どういうストーリーが展開されるのでしょうか！？
そしてその主役は誰だ！ |
